育児休暇を2ヶ月間取った話

3人目の娘が生まれてから、もう二度とチャンスは無いだろうとおもって思い切って2ヶ月ほど育児休暇をとりました。勤めている会社では男性社員の育児休暇取得ははじめてでした。男性の育児参加がずいぶんと積極的になされてくるようになったと言われる昨今ですが、まだ育児休暇を取得する人の数はそこまで多くはないと思いますので、せっかくなので感じた事、気づいた事など書き残しておこうと思います。育児休暇を取得するかどうか迷っている方の参考になれば幸いです。

取得すること

お金の事

  • 育児休業中は「育児休業給付金」が出ます。給料の50%が出ます。が、実際にお金を受け取るのは2ヶ月単位で、育児休暇を取得した後のタイミングになるようです。
  • 給料はもらえなくても各種の税金等は支払う必要があるので、会社に振込を行いました。
  • というわけで、2ヶ月の育休となると、収入はなく、支出はある、という状況になります。毎月給料が入っているとわかりづらいですが、固定費でいくら払っているのかを把握しておいて、現金をある程度用意しておかないといけないです。
  • 私のケースでは2ヶ月間で銀行の口座の残高が100万円ほど減りました。出産、育児、ということ以外にもいろいろとお金が必要な事が重なったからなのですが、お金の流れが休みに入る前とずいぶん変わるのであらかじめ気をつけておいた方が良いと思います。

家事の事、仕事の事

  • 育児休暇中は家事を担当する方も多いと思いますが、私のようにこれまでの人生で毎日まともに家事をした事が無いような人間がいきなり家事を本気でやろうとするとなれるまでにかなり時間がかかると思います。私の場合すべてのタスクに嫁さんの倍以上の時間が必要でした。最後の方はさすがになれてきましたが、初めのうちは食事の支度に2時間片付けに1時間とかかかってました。そうすると1日中料理を作ってる感じに…。
  • 結果、仕事のメール程度は目を通したり、ある程度返信したりする予定でしたが、当初はメールも満足に読めない程度にしか時間が確保できませんでした。育児休暇中も仕事はちょっとはやろう…というのはできる方もいるとは思いますが個人的にはやめておいたほうがいいと思います。

どのレベルを目指すかということ

  • 育児休暇をとる前は「本気になれば家事だって何だってできるだろう」と思ってました。結果的にはまぁ、できたといえばできた訳ですが、「とりあえずこなせてる」というのと、「家族みんなが満足するようにできている」との間には天と地ほどの差があることを痛感しました。食事をつくっても満足しておいしいって食べてもらうのと、作ったものに文句を言われるのとでは全然違う訳で、そのあたりに関してどの程度のレベルを狙うのかは育児休暇取得前に家族と認識合わせをしておいた方が良いと思います。
  • というわけで、ぶっちゃけた話、嫁さんに満足してもらおうと思ったら、育児休暇に入る前に予行演習を本気でやっておいた方が良いだろうと思います。

育児休暇を取得してみて

実際に育児休暇を取得してみた感想は「取得して本当によかった」と思います。家族とこれだけ一緒にずっといられる時間というのは仕事をしていては確保できません。そしてそうしているうちに子供たちは大きくなり、家からいなくなってしまいます。よく考えると、この育児休暇の期間が自分の人生の中で一番子供たちとふれあう事のできる期間でした。

毎日朝子供たちを起こして、娘を幼稚園に送って行って、息子と一緒に買い物して、料理して、
洗濯して、家事の合間にちょっと遊んで、一緒にお風呂に入って、いっしょに寝て。毎日をあたりまえにこなす事は想像以上に大変でしたが、とても充実してました。短い期間でも子供たちはどんどん成長していて、それを毎日感じて。これを何年間も続けられる妻が非常にうらやましく思いました。

そして、自分が会社から帰ってくるような時間というのはもう「1日の本当に最後の最後」だということを実感してショッックを受けました。私が帰ってくるのはだいたい7時30分くらいです。私は今までは会社をできるだけ早い時間に出て(実際職場ではほぼ1番に会社を出てます)寄り道もせず急いで帰って来て、晩ご飯もささっと食べて、子供たちの寝かしつけをがんばっているつもりでした。それによって少しでも嫁さんの負担を軽くしてあげたいと思ってました。会社に仕事を残して早く帰ってくるのは心苦しくもあり辛い事で、自分はとてもがんばって協力しているつもりでした。実際にそういう面はあるとは思いますが、実際に自分が1日中家にいて色々と家事をしていると夜の7時30分という時間はいろんな事が終わって、ご飯も食べて、お風呂も入って、あとは寝るだけ。1日終わった〜、というタイミングなんです。

なかなか認めたくない事ですが、ほんとの事だからしょうがない。いくら私が育児参加にがんばっているつもりでも、フルタイムで仕事をしている以上、家族にとって私は1日のはじめとさいごと休みの日にちょっとだけ登場するだけのレアキャラなんですね。いや、もちろんその1日のはじめとさいごに登場するだけでもものすごい努力が必要なんですよ。休みの日にいて子供と遊ぶ元気があるっていうだけでもものすごい事なんです。ですけど…仕事をしてなければそんなことは理解できないでしょうね。実際私だって2ヶ月仕事をしてなかったら忘れましたし、毎日「あー自分はもう仕事にいっちゃう時間なのか。まだ帰ってこない時間なのか。」と思いました。

自分もそうおもった、ということは非常に重要な気づきだと思うのでこれから先の人生でも忘れないようにしたいと思います。「俺は仕事してるんだから仕方が無いだろう」というのは理解されない言い訳だ、ということを改めて肝に命じておこうと思います。嫁さんは過去働いていたこともあり理解があるのですが、子供には当分理解は無理だろうと思います。

そして、やっぱり安定した収入が大事で、それが無いと生活が成り立たないという事を実感しました。たったの2ヶ月でもまとまった収入が無い、というのは結構なストレスでしたし、育児休暇をとった事でこれから会社に戻ってきちんと継続的に働けるだろうかという不安も若干感じました。両親からは「本当に大丈夫なのか」「戻ったら席がなくなってるんじゃないのか?」と何度も何度も言われました。産休をとって、子供が1歳になるまで育児休暇を取得した方なんかは本当に不安に感じるでしょうね。最新の情報を丸2ヶ月仕入れていないので私もこれからちょっとがんばらないといけません。

と、まぁこのような事を思いました。まぁ、色々書きましたが育児休暇、取得可能ならぜひ短くても良いから取得される事をお勧めします。ちょっと人生観が変わるかもしれませんよ。

 

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